就労継続支援B型とは?A型との違いと仕事内容について紹介!

就労支援

「就労継続支援B型に仕事を依頼したいけれど、そもそもB型ってなに?」と疑問に思っていませんか?利用者が身近にいない場合、なかなかイメージがつかないですよね。

そこでこの記事では、就労継続支援B型の概要やA型との違い、平均工賃、仕事内容、依頼するメリットなどを紹介します。どのような人がいて、どんな仕事を依頼できるのか気になる場合はぜひ参考にしてみてください!

目次

就労継続支援B型とは

人々が手を取り合うイラスト

就労継続支援B型とは就労や生産活動の機会を提供するとともに、一般就労に必要な知識やスキルを高められる場所です。十分に知識やスキルが高まった場合は、一般就労への移行支援をしてくれます。そのため、一般就労に必要な訓練も実施してくれるのが特徴です。

利用者は作業をした場合、工賃を支給してもらえます。国の要件では、平均工賃が平均控除程度の水準と言われる月額3,000円程度を上回ることとされています。

利用期間については制限ありません。

参考:厚生労働省「就労継続支援B型に係る報酬・基準について≪論点等≫

就労継続支援A型との違い

似た言葉に就労継続支援A型というものがあります。A型とB型は、雇用契約の有無と年齢です。

A型の場合は、雇用契約を結んで就労と生産活動の機会提供を実施しています。対してB型は雇用契約を結びません。そのため、工賃での支払いとなります。

さらにA型には年齢制限があります。入所時に65歳に達している場合は、入ることができません。B型は年齢の制限はなく、入所できます。利用者は軽作業などの訓練をしながら一般就労を目指していきます。

就労継続支援B型の現状と一般就労への移行推移

グラフを見ている人

就労継続支援B型の令和5年3月時点での利用者は、32.9万人です。就労移行支援・A型と比較して、4倍以上多い人数となりました。

就労支援施策の対象となる障害者数/地域の流れのグラフ

引用:厚生労働省「障害福祉サービスからの就職者について

就労継続支援B型から一般就労への移行者数は一時的に減っている年もありますが、総合的には増加傾向にあります。

一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)のグラフ

引用:厚生労働省「障害福祉サービスからの就職者について

ほかの就労系障害福祉サービスと比較すると、一般就労への移行数は少なくなります。しかし、毎年一定の人数は一般就労への移行をしている状態です。

就労継続支援B型の対象者

対象者のイラスト

就労継続支援B型の対象者は「就労系障害福祉サービスの概要」によると以下のように記載されています。

■ 就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される障害者
① 企業等や就労継続支援事業(A型)での就労経験がある者であって、年齢や体力の面で雇用されることが困難となった者
② 50歳に達している者または障害基礎年金1級受給者
③ ①及び②に該当しない者であって、就労移行支援事業者によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者
④ 通常の事業所に雇用されている障害者であって主務省令で定める事由により当該事業所での就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とする者

引用:厚生労働省「就労系障害福祉サービスの概要

就労継続支援B型には、年齢制限はありません。障がい者と診断されていなくても、一般就労をしていて、体力などを理由に退職した50歳以上の人も対象になります。就労支援A型よりも対象になりえる人は多いでしょう。

就労継続支援B型の平均工賃

就労継続支援B型の平均工賃の推移は以下の通りです。

就労継続支援B型事業所 平均工賃について

引用:厚生労働省「令和4年度工賃(賃金)の実績について

調査した当初は12,000円程度でした。しかし、令和4年度の時点では17,000円を超えており、徐々に平均工賃が上がってきています。

平均工賃が向上傾向にあるものの、現状就労継続支援事業所B型では賃金の低さが課題となっています。原因は、ニーズの多様化による業務負担や利用者ごとに対応できる業務の幅が異なるなどです。

課題を解決するためには、提供する価値を増やしたり、多様化に対応したりすることが大切です。

就労継続支援B型が対応できる仕事内容

お金と計算機

厚生労働省の「5 就労系障害福祉サービスにおける経営実態等調査」によると、就労継続支援B型で対応できる仕事内容は、以下のようになりました。

図表 220 実施している生産活動の内容〔複数回答〕

引用:厚生労働省「5 就労系障害福祉サービスにおける経営実態等調査

その他以外で一番多いのは、清掃・施設管理でした。次いで農業・園芸が続いています。比較的単純な作業で構成されている業務が多く、重度の障がいがある方でも問題なく働ける仕事が受け入れられています。

就労継続支援B型といっても、入所している方の障がいの種類はさまざまです。そのため、対応できることにも個人差があります。ひとまとめにこの作業はできないだろうと決めつけるのではなく、できるように仕事を細分化するなど工夫が大切です。

さらに仕事をきちんと完了してもらうためには、事業所との連携もかかせません。定期的にコミュニケーションを取ってトラブルにも対応できるようにしておきましょう。

企業が就労継続支援B型に依頼するメリット

会社の商談

企業が就労継続支援B型に業務を依頼するメリットは、以下の3つです。

  • 労働力が得られる
  • コストを抑えられる
  • 地域の雇用活性化に貢献できる

就労継続支援B型を利用することで、今まで足りていなかった労働力を補えます。利用者に合った業務内容を切り出しできれば、即戦力にもなりえるでしょう。就労継続支援の外注費用は工賃のため、時給で依頼する派遣などよりも安く済む可能性があります。

また地域の障がいのある方に働く機会の提供ができるため、雇用活性化にも役立ちます。障がいのある人の雇用を実施している企業として、社会的責任をきちんと果たしているというイメージが付けられるでしょう。

さらに、企業に来て働く施設外就労で企業に来てもらう場合、社内の多様性の推進にも役立ちます。障がいのある人のイメージを変化させたり、関わり方を学んだりできるでしょう。就労継続支援B型の活用は、施設だけでなく企業にもメリットがあります。

まとめ

サポートの写真

就労継続支援B型とは生産活動の機会を提供するとともに、一般就労に必要な知識やスキルを身につけられるところです。十分にスキルが高まった場合は、一般就労への就職支援をしてくれます。

似た言葉に就労継続支援A型がありますが、雇用契約の有無や年齢制限などの違いがあります。対象者も異なるため注意してください。

対応できる仕事は、清掃・施設管理や農業・園芸、部品・機械組立などです。比較的簡単な作業が中心の業務が多い傾向にあります。ただし、入所している人によって対応できる業務はそれぞれ違います。就労継続支援B型を活用する場合は、業務の細分化をして働きやすいよう工夫することが大切です。

メリットを考えたうえで、依頼を検討してみてください。

【参考】

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