「障害者法定雇用率制度」の仕組み

コラム「障害者法定雇用率制度」の仕組み

目次

法定雇用率制度とは?

法定雇用率とは、一定数以上の従業員を雇用している民間企業や地方公共団体を対象に、常用労働者のうち障がい者をどのくらいの割合で雇う必要があるのか?ということを定めた基準のことを指します。

企業には「障害者雇用促進法」により法定雇用率の達成が義務付けられています。

現在の民間企業の法定雇用率は2.3%となっており、従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障がい者を1人以上雇用しなければなりません。

厚生労働省より参考:
https://www.mhlw.go.jp/content/000859466.pdf

障害者雇用促進法の前身である身体障害者雇用促進法が1960年に制定され、企業や国、地方自治体の努力義務とされていましたが、1976年の法改正により法的義務となりました。 その際に障害者法定雇用率は1.5%と定められ、以後、何度か法改正が行われ、1988年には1.6%、1998年には1.8%、2013年には2.0%、2018年には2.2%、2021年3月からは2.3%へと段階的に引き上げられています。

厚生労働省より参考:
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000761619.pdf

法定雇用障がい者数
(企業が雇用すべき障がい者の雇用人数)の計算方法

自社の雇用すべき障がい者の人数は、下記計算式で求める事ができます。

<民間企業における雇用率設定基準>
法定雇用障がい者数=企業全体の常時雇用する労働者の総数×法定雇用率(2.3%)

・小数点以下の端数は切り捨て
・常用雇用者:1週間の労働時間が30時間以上の方
・短時間労働者:1週間の労働時間が20時間以上30時間未満の方
・短期労働者より1週間の労働時間が短いアルバイトやパートの方などはカウントされない (詳細は後述)

雇用の対象となる障がい者のカウント方法

障害者法定雇用率制度の対象となる障がい者の方は、身体障がい、知的障がい、精神障がいの大きく分けて3つの障がい特性を持っている方となっています。2018年4月の法改正前までは身体障がいの方と、知的障がいの方のみでしたが、現在は精神障がいの方も対象となっています。

また、カウント方法は障がいの種類や重度軽度などで変わる為、注意が必要です。

厚生労働省より参考:
https://www.mhlw.go.jp/content/000859466.pdf

更に注意ポイントは、欠勤、遅刻等で実労働時間が所定労働時間を下回る月が年間の半分以上(7カ月以上)ある場合は、実労働時間が参考となります。例えば、週所定労働時間が30時間以上の常用労働者の場合、月120時間に満たない月が年間の半分以上あると、「常用労働者数」も「雇用障害者数」も0.5カウントとなります。

週所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者の場合では、「常用労働者数」にも「雇用障害者数」にもカウントされなくなってしまいます。

※月によって出勤日数が異なり、所定労働時間に満たない場合もあります。例えば営業日数が少ない2月のように、労働時間が120時間(80時間)を下回る場合は、「2月の労働日数×6時間(短時間労働者の場合は4時間)=所定労働時間」となります。

法定雇用障がい者数より少なかった場合

障がい者を雇用しても、企業の本来雇うべき法定雇用数に達していない場合、事業主は障害者雇用納付金として不足1人につき月50,000円を納める必要があります。(適応対象は常用雇用者が100人超の事業主とされており、常用労働者が100人超200人以下の場合は月40,000円となります。)

また、多くの企業で罰金などと捉えられがちですが、この納付金は企業間の障がい者雇用に伴う経済負担の調整を図る為に納めるものであり、納付金を支払っていたとしても雇用する義務はなくなりませんので注意が必要です。

逆に法定雇用率を上回っている企業の場合は、超過1人につき月27,000円が支給されます。(適応対象は常用労働者100人超の事業主であり、常用労働者が100人以下の場合は別途報奨金制度があります。)

まとめ

近年、SDCsやCSR、ダイバーシティなどの言葉が世の中に多く知られるようになり、大企業だけではなく、中小企業も障がい者雇用に対して興味関心は強いと考えております。

しかし、全国の法定雇用率達成企業の割合は47.0%となっており半分も達成しておりません。

まずは障がい者雇用や、働き方の多様化を更に進める上でハードの部分を知ることから始めてみてはどうでしょうか。

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