「出来ない」と弱気なことを言っていた利用者さんが出来るようになる姿を目の前で見られることは大きな喜び。

事業所インタビュー

株式会社サンズ 代表 小根山千晶様

株式会社サンズが運営する就労継続支援A型事業所では、就労や生活活動の機会を提供するとともに生活面や就労面での基礎体力やコミュニケーション能力の向上のために必要な訓練を行っています。
代表の小根山様にお話をお伺いしました。

富山県射水市にて
2022年8月より
 週5日(月曜~金曜)
 10:00~16:15(実働5時間)
 1日4名
の障がいスタッフが活躍しています。

企業担当者からの一言コメント
パートさんとの関係性も良く、いい意味で障がい者のイメージが変わりました。

目次

就労継続支援A型事業所を立ち上げたきっかけは?

別の会社が運営する就労継続支援A型事業所で作業指導員として4年間働いていました。しかしそこで行われる利用者さん達に向けての「支援」と、私が考える「支援」にズレが生じてきたことがきっかけです。
不安が全くなかったわけではありませんが、以前の会社は異業種から参入された方が事業所を運営していたので、経営自体は未経験の私でもできると思い決断しました。

小根山さんが考えていた支援と前の事業所では、どういった相違があったのでしょうか?

私は個人差がありながらも障がいを持つ利用者さんがよりやりがいを感じて、社会に貢献しているという思いと責任を持って仕事をしてもらうことが支援だと考えます。
しかしそこで重要視されていたのは「無理をさせないで」「キツイことを言わず、柔らかく優しく接してね」など、クレームや世間体を気にして利用者さんをパート社員ではなくお客様のように扱うことでした。
利用者さんの「こんな仕事にチャレンジしたい」という思いは否定され、プラスチックの検査など一辺倒な作業ばかりだったのです。自分から挑戦したり成長したいという気持ちに応えられておらず、本当の意味での支援を与えられないことに憤りを感じていました。

起業での苦労話を教えてください。

資金面と、書類申請です。貯金もなく自己資金ゼロの状態から独立でした。カードローンで200万円を借りてそのうち100万円資本金にできたのですが、次は法人設立の書類申請が大変でした。
まずはいろいろ調べながら自分で申請しようとしてうまく行かず、司法書士さんに依頼しても通らず、就労継続支援A型事業所の申請経験のある行政書士さんに辿り着き、三度目の正直でようやく認可されました。
法人設立後も資金面は苦しい状態が続き、最初の2年は赤字続きで国民生活金融公庫や知り合いにまでお金を借りて、何度も辞めることを考えました。
追い詰められた時でも頭に浮かぶのは利用者さんたちの顔で、10人ほどいた利用者さんを路頭に迷わすわけにはいかない、そんな無責任なことはできないと、どうにか奮起することができました。今は返済が終わり気持ちは楽になりましたが、あの頃は辛かったです。

就労支援をしていてよかったな!と思うポイントを教えてください。

就労を始めて間もなくは「出来ない」と弱気なことばかり言っていた利用者さんが出来るようになる姿を目の前で見られること、そこに立ち会えることは大きな喜びです。施設外就労から「楽しかった」と言って帰ってくる姿は頼もしさすら感じます。
その「楽しかった」には出来るようになった達成感を味わったこと、求められていると感じたこと、誰かとお話ししたことなど、状況は様々です。それでも利用者さんがそう感じられる環境を提供できていると実感すると、素直にやっていてよかったと思います。

現状の課題など教えてください!

自治体や近隣企業の方々にもっと理解を深めていただけるように動いていく必要があると感じています。障がい者のことを理解し、利益を生む人材だと認知して、避けないでいただきたいです。
障がいがあることで難しい職種があることも理解しています。それでも例えば自治体ごとに企業と事業所との間での交渉会を開催するなど、私たちの存在を認知してもらう機会を増やしていきたいです。
事業所から企業に出向いて仕事を頂けるかの交渉をすることが圧倒的に多いですし、でもそればかりに時間を割くことができないのも実情です。県外の事業所などではどのような工夫をしているかをもっと情報交換しながら、横の繋がりを通してお互いに発展していければと考えています。

バイタリティのある小根山さんが率いる事業所は、「楽しくなければサンズじゃない!」がモットー。設立して5年が経ち小根山さんやスタッフ、利用者さん達の思いが一つずつ実を結んでいます。

施設外就労先での具体的な様子や利用者さんの変化についてもお伺いしました。

〇〇物流様の案件を受け入れられた経緯を教えてください。

富山県はもともととても閉鎖的な部分があり十分な情報を得られていなかったことから、最低賃金で雇用いただけるという話を初めて聞いた時には懐疑的でした。しかし熱心にご紹介いただいて心を打たれ、ちょうど施設外での仕事を探していたタイミングも重なって、決心しました。

物流企業に入ってみてイメージはどう変わりましたか?

いままでの業務内容などは全く違う実務内容でしたので、最初は戸惑う場面もありました。一部の現場のパート社員さんがサンズの利用者に対しての理解、気遣いをしてもらえたことで安心してお願いできるようになりました。

〇〇物流様で一緒に仕事をして利用者が変わったな!と思うことはありましたか?

働くことに対して意欲的になり、積極的に参加する利用者が増えたと感じます。一人ひとりが向上心を持って作業に取り組めるようになり、利用者同士のコミュニケーションが増えたのも大きな変化だと感じます。

〇〇物流様で仕事を現場の方と一緒にしてよかったと思えるエピソードはありましたか?

見守る立場からのエピソードですが、忙しい日などはサンズの利用者と現場のパート社員さんが協力し合って一つの業務をしっかり遂行していたり、声を掛け合ってトラブルを乗り越えたり、日々の成長を間近で感じられることは私共にとっても大きな喜びです。

サンズの今後のビジョンを教えてください。

いつかみんなで海外旅行に行きたいですね!笑
全員が時給をしっかりもらえるような売り上げを立てていくことが目標です。利用者さんには最低賃金以上のお給料を受け取れるようになって欲しいですし、そのためには企業の努力と事業所の努力が必要です。
就労支援を受けられている利用者さんは働いて生きることを決めた人達です。その方々に十分なお給料とやりたい仕事を提供できるように、これからも邁進していきます。

熱い思いを聞かせて頂きました。インタビューご協力ありがとうございました。

事業所情報
会社名株式会社サンズ
代表者名小根山 千晶
設立日2017年4月3日
事業内容就労継続支援A型事業所・放課後等デイサービス
就労支援定員20名
ホームページhttp://suns-toyama.com/

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