一般社団法人禄陽
代表 日高 嘉信 様
現状の選択肢にとどまらず、IT、農家、コンサルティング事業など能力を発揮できる機会を作っている一般社団法人禄陽。就労継続支援A型・B型事業所を運営している代表の日高様にお話しを伺いました。
Q: 障がい者へ就労支援を立ち上げたきっかけを教えてください。
A: 大学時代からボランティア、紛争問題などに興味があり、将来的には社会的企業(ソーシャルビジネス)に携わりたいという希望を持っていました。専攻は福祉に関連する分野ではなかったのですが、興味があったので就労支援に関わりのある企業に就職しました。そこで入社後1ヶ月くらいで新潟に配属されました。障がい者の就労に特化したものではなく、何らかの事情で生活に困窮されている方を含む就労支援に携わってきました。
5年ほど経って、新潟からまた他の地へ異動という辞令が出た時に、今までコミュニティを築いて頑張ってきた新潟を離れたくない気持ちもあり、またちょうどそのタイミングで農家の方より福祉事業所を始めたいという出資などの話も頂いたので、それがきっかけで退職し、創業することとなりました。
2018年に創業、2019年からサービス開始、現在スタッフは5名で利用者さんはA型・B型を合わせて16名になります。
Q: 障がいスタッフがどんな業務を行っていますか?
A: A型では施設外就労で物流企業でのシュート作業を、B型ではパソコンの内職事業をメインとしています。B型は具体的には製造・IT系の業務で、データの入力やECサイト代行運用などを実施しています。
なお、2020年より新潟県から農福連携コーディネーター配置事業の請負をしております。農業者と福祉事業者のマッチングを行っています。
「農How 農Care」事業は人手不足の農家と個人や福祉事業所をマッチングするWebサービスとして、農業に関わりたいという方と農家を繋げています。障がいのあるなしにかかわらず、スポットでどなたでも就労できる、空き時間で農業のアルバイトできるというシステムです。
費用の支払いは農家さんから本人に日当で支払い、利用料を後で請求する形で運用しています。
Q: 企業側の現場の方とのかかわりで気づきや注意しているポイントは?
A: 施設外での就労は、実際に就職した状況に近い形の訓練ができる環境です。利用者さんも自分の基準が分かり、就職に対するイメージが湧きやすい環境になります。
就労支援員はその企業側と事業所/利用者さんを繋ぐ顔となる方です。現場で回りとコミュニケーションがスムーズにできているか、しっかりマネージメントできているかどうかに注意を払って見ています。
今後支援員を育成していく際にも周りの方と連携が取れるのかに注力して育成していこうとしています。現場ではお互いにフォローし合えることができる体制をつくることが大事だと感じています。
Q: 今後の展望を教えてください。
A: 幅広く選択肢を作っていくことを目指しています。これは今までの事業を進めることにおいても一貫していることです。農家またはPC関連のみでのお仕事だけに限ってしまうと、利用者さんが実力を発揮できる場所がもっとあるかもしれないのに、「選択肢がないからできない」という状況やそういった気持ちにさせないようにしたいと思っています。
今後業務の種類やジャンルをより幅広くいろんな方々が自分の能力を発揮できる選択肢を増やしていけるように模索し、展開していきたいです。
大学時代の想いから今に至るまで就労支援への夢を追い続けて、さらに未来の選択肢を増やすことを目指す、その想いがとても伝わってきました。インタビューありがとうございました。
会社名 | 一般社団法人禄陽 |
代表者名 | 日高 嘉信 |
設立日 | 2018年11月1日 |
事業内容 | 障がい福祉サービス事業 |
ホームページ | https://www.nouhowcare-rokuyou.com/ |