障がいのある方でも対応できる仕事とは?データをもとに解説

障がい者活用を検討している方の中で「どのような仕事ができるのかな?」と疑問に思っている方はいませんか?障がいがあっても、対応できる業務はたくさんあります。

そこでこの記事では、障害のある方でも対応できる仕事や障がいの種類別にどの職業に雇用されているのかなどを紹介します。依頼方法なども解説するので、参考にしてみてください。

目次

障がいのある方が対応できる仕事内容

倉庫内で作業するスタッフ

障がいのある方が対応できる仕事内容を紹介します。主にお願いできることは、以下の7つです。

  • 軽作業
  • 事務作業
  • お弁当の作成
  • 清掃業務
  • 農作業
  • コールセンター
  • エンジニア

それぞれどのような業務を担ってもらえるのか解説します。

軽作業

軽作業とは、特別なスキルや技術を必要とせず、誰でもできる比較的簡単な作業のことです。具体的には、倉庫内でのピッキングや梱包などが当てはまります。軽作業と聞いて軽いものしか扱わないと思われてしまう可能性もあります。重いものの持ち運びがある場合は、事前のすり合わせが大切です。

障がいの重さなどによって対応できる業務が異なるため、注意しましょう。また障がい者雇用で採用した人とのコミュニケーションも取っていく必要があります。

事務作業

事務作業の仕事内容は以下の通りです。

  • データ入力
  • 電話対応
  • 書類作成
  • 備品の管理
  • 印刷
  • 集計
  • 車内清掃
  • Webサイト更新

事務と言っても多岐にわたるため、認識の違いが発生しないように求職者とよく話しておく必要があります。パソコンを使った対応があるため、スキルがしっかりあるかチェックしてください。

またチームと連携するために、コミュニケーション能力がしっかりあるか確かめておきましょう。

お弁当の作成

お弁当の作成では主に、調理補助や盛り付け作業、配達補助などを依頼できます。付随して清掃作業やお弁当に使用する野菜の栽培を頼むことも可能です。同じことを繰り返す作業が多いため、障がいがある方でも対応できます。

ただし、すべての障がいのある方が同じ業務に対応できるとは限りません。障がいの重さなどによって、作業の細分化などをしていきましょう。

清掃業務

清掃業務も障がいがあっても問題なく対応できます。毎日決められた箇所をきれいにしていくため、新しいことを覚えるのが難しい障がい者でも難易度が低いです。ただし、教え方には注意が必要です。

障がいのある方の中には、2つの行動を同時にできない人もいます。例えば、両手で雑巾を絞る作業です。右手と左手で動きが異なるため、うまくまとめて動かせない人もいます。

それぞれの障がいの特性を理解して、業務を依頼することが大切です。

農作業

農作業も障がい者の能力を十分に発揮できる分野です。草刈りや定植、収穫、袋詰めなど単純な作業が多く、1年を通して依頼する業務が発生しやすい利点もあります。障がいのある方にとっても、生きがいにつながったり、心身のリハビリになったりなどのメリットがあります。

一度作業をしてもらって、どの業務であれば対応できるか見極めるのもおすすめです。

コールセンター

コールセンターでは主に、顧客から受けた問い合わせにあわせて適切に案内する業務です。こちらから電話をして、お客様の疑問を解決したり、商談の約束を取り付けたりすることもあります。コールセンターのため、ただ話を聞くだけではなく状況を理解し、適切な判断をする能力が求められるでしょう。

比較的人とコミュニケーションを取るのが得意な方が向いています。依頼するときには、性格なども理解しましょう。

エンジニア

エンジニアは一見難しそうに思えますが、ソフトウェアやシステム、アプリケーションなどの開発を依頼できます。依頼するかどうか決める場合は、エンジニアとして習熟度だけではなく、コミュニケーション能力があるか、書類作成能力があるかなどもチェックしておきましょう。

コミュニケーションが原因で離職につながることもあるため、注意してください。

データで見る障がいの種類別雇用状況

立っている人々

ここからは障がいの種類別雇用状況について解説します。紹介するのは、以下の4つです。

  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者
  • 発達障害者

厚生労働省の令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書をもとに解説します。

身体障がい者

令和5年度の調査によると、身体障がいがある方の雇用者数は推計52万6,000人です。

身体障がいがある方の雇用者数

引用:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書

職業別雇用者数で見ると、もっとも多いのが事務的職業で、次に生産工程の職業でした。生産工程とは、原材料が加工され製品になるまでの過程のことを指します。複雑な作業よりも、比較的シンプルな業務が多い職業に就く割合が高いです。

知的障がい者

知的障がいのある方の就職数は、推計27万5,000人です。身体障がい者と比較すると雇用数は少ない状況です。

知的障がいのある方の雇用者数

引用:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書

知的障がいのある方は、サービスを提供する職業や運搬・清掃・包装などの職業に就く人が多いと分かります。サービス業を本当に任せられるのかと心配になるかもしれませんが、障がいの度合いなどによっては問題なく対応できる方もいます。

一概に難しいだろうと決めつけるのではなく、一人ひとりを見て業務を任せても問題ないか検討していくことが大切です。

精神障がい者

精神障害のある方で現在雇用されているのは、推計21万5,000人です。

精神障がいがある方の職業別雇用者数

引用:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書

もっとも多いのは、事務業務です。次いで多いのは、専門的、技術的職業でした。専門的、技術的職業は、雇用されている人が多いものの精神的負担がかかりやすい仕事でもあります。いつでも相談できる窓口を設置しておくなど、負担をケアできる環境を整えておく必要があります。

発達障がい者

発達障がいがある方の雇用者数は、推計9万1,000人とされています。

発達障がいのある方の職業別雇用者数

引用:厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告

発達障がいのある方でもっとも雇用者数が多かったのは、サービスの職業でした。次いで事務的職業の雇用数が多いです。同じ障がいでも、サービス業が向いている人もいれば、事務作業が得意な人などさまざまです。

発達障害だからこの業務は難しいだろうと決めつけずに、特性を知ったうえで任せることが重要です。

障がいのある方に仕事を依頼するときの注意点

事務業務をする車いすにすわった男性

障がいのある人に仕事を依頼するときには、以下の点に注意しましょう。

  • 個人モデルではなく「社会モデル」で考える
  • 一人ひとりが働きやすい環境を作る

障がいのある方と一緒に働くときには、個人モデルではなく「社会モデル」で考えましょう。個人モデルとは、聴覚や視覚障がいがある人が努力して社会に適合するべきという考え方です。反対に社会モデルは、障がいのある人でも生きやすくなるよう社会側が工夫するものという考え方です。

個人モデルの考え方だと、障がいのある方に対して不満が出てしまいます。社会モデルの考え方を社内に浸透させていきましょう。また、一人ひとりが働きやすい環境を整えることが大切です。

例えば、仕事を教える場合でも耳からの情報の方が覚えやすい人もいれば、絵の方がわかりやすいという人もいます。特性に合わせて教え方を分けてみてください。働きにくさを感じてしまうと、定着にはなかなか結びつかないため注意が必要です。

安定就業を目指すなら就労移行支援事業所の活用もおすすめ

サポート

職場にうまく定着してくれる人材に出会えるか心配な場合は、就労移行支援事業所の活用がおすすめです。就労移行支援事業所とは、障がいを持っている方向けに就労の訓練やサポートを提供している場所です。

連携していくことで、どのような人が自社の業務に合っているかや定着のための施策を考えてくれます。自社だけでは難しいこともフォローに入ってもらえるため、安心して雇用を進められます。就労移行支援事業所と連携するときには、訓練内容と自社のほしい人材が合致しているかや支援員がどんな人かチェックしておきましょう。

まとめ

会社の集合写真

障がいのある方でも、依頼の仕方の工夫だけでさまざまなことを依頼できます。障がい別の雇用状況も紹介したので、参考にしてみてください。障害のある方に仕事を依頼するときには、特性をよく理解しましょう。

もしも採用時や雇用後のサポートが必要な場合は、就労移行支援事業所との連携も検討してみてください。

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